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物事は「五分が上である」を信条とした武田信玄のマネジメント

2020年2月25日

社員や部下にたいしては「五分を保つ」ことが信頼関係を持続させるポイント

 今回は私がはじめて部下を持った時に悩んだ自身のある性格についてお話をさせていただきます。

 その性格とは「白黒をはっきりつけようとする」と言うものです。

 これは良い意味で言えば「曲がったことが大きらい」と言うところから派生していますが、悪い意味で言えば「極端すぎる」「価値観の押しつけ」と言う問題点をふくんでいます。

 今ではおかげさまで歳もかさね、さらに多くの部下を預からせていただいたことでだいぶこの点もやわらかくなったとは認識しております(あくまで自己評価ですが)

 とにかく考え方が極端で言ってみれば0か100しかなく中間がないと言うのが私の若い時の性格の1つでした。

 そしてその性格は上記のはじめての部下を受け持った時に見事にマイナスにはたらくことになりました。

 それが端的にあらわれたのが部下を「ほめる」「しかる」時です。

 そのどちらもが極端であるがゆえに色々と問題が起きてしまいます。

「ほめる」・・・必要以上にほめてしまうために、部下に慢心を起こさせ勘ちがいをさせてしまった
「しかる」・・・必要以上にしかってしまうために、部下に警戒心をいだかせ苦手意識を植えつけてしまった

 と言った点です。

 まだ「ほめる」は部下に自信を持ってもらう点で一定の効果を保っていましたが、最悪だったのが「しかる」時です。

 部下をとことんまで追いこんで「ぐうの音もでない」状態にする。当時の私は本当に最悪なことに「それが上司の役割の1つ」だと完ぺきに勘ちがいをしていたのでした。

 それでも当時の私は「なぜ部下は勘ちがいをしたり自分を避けたりしているのか?」の理由がお恥ずかしい話ですが分からず悩んでいました。

 その時に解決のヒントを求めて書店に通い関連した書籍を立ち読みしていた際に頭がつかれてしまい、頭休めにと日本史のコーナーに行き手にした本に書かれていたことが問題の解決の糸口になりました。

 それがあの「甲斐の虎」と言われた武田信玄の家臣のマネジメントにたいするある言葉だったのです。

常に程々以上を超える勝利を求めなかった武田信玄

 

「戦に勝つということは、五分を上とし、七分を中とし、十分を下とする」

 上記を信条として戦や国の経営をおこなっていたのが武田信玄です。

 この言葉について知人がその理由をたずねたところ信玄は・・・

「五分の勝ちであれば今後に対してはげみの気持ちが生じ、七分の勝ちならなまけ心が生じ十分つまり完璧に勝ってしまうと、敵をあなどりおごりの気持ちが生まれるからだ」

 と語ったと言われています。

 又、これを聞いたかの信玄のライバルである越後の上杉謙信も納得し「いつも自分が信玄に及ばぬところは実にここである」と評したと言うエピソードも残っているのです。

 信玄は人の慢心・うらみと言うものを非常におそれ、重要ととらえていました。

 信玄は「敵側から見れば十まで完膚なきまでにたたきつぶしてしまうことは意味のない余計なうらみをかうだけである」とも語っています。

 確かに信玄の戦を見ると深追いをし、敵に必要以上なとどめをさす行為はほぼ見あたりません。

 当時私はこの言葉を見てはっとさせられた記憶があります。そしてこの信玄の言葉を信条とし部下に接していくことになりました。

 特に上記の部下を「しかる」場面においては常にこの言葉を頭に思いうかべなから対峙するようになったのです。

 上司としてこちらのほうが確かに正しい考えを持っているのかも知れません。しかし必要以上に部下に正当性を強いることは人が感情で動くものである以上、時には意味のない警戒心や最悪な場合うらみをかう危険もはらんでいるのです。

 このあたりから私の部下の接し方は徐々に変化していき、特にしかる場面においては「五分を上」とし残りの五分は部下と共にその改善点を考えていくマネジメントに移行していきました。

 それにより部下との信頼関係は徐々に強くなっていったのでした。

 人はどうしても自分の考えが正しいと思うもので確かにそれが正しいとしても必要以上に社員や部下に押しつけてしまう傾向性があります。ぜひ信玄の言葉を参考にし「五分のマネジメント」を実践してまいりましょう。

 

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