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部下(社員)の力で理想の組織を作るフォロワーシップとは?

 

「がんばっているのに上司(社長)が正当な評価をしてくれない!」

「上司(社長)の指示どおりにやっているのに認めてくれない!」

「いくら上司(社長)に発言をしてもまったく会社が変わらない!」

 

あなたは現在の会社や上司(社長)にたいして、こんな不満やなやみを持っていませんか?

かく言う私も20年のサラリーマン時代の中で、上記のような不満はそれこそかかえきれないほど持っていた時期もありました(私のコラムは基本自分が経験したことを書いています 笑)。

そんなある日、いつものようにグチをこぼしていた友人の一人から「そんなに不満を持っているなら自分が変える工夫をしてみろよ!」とキレられたことがあります。

友人も毎度の私のグチにほとほと愛想をつかしていたのでしょう(笑)

しかし、それを契機に私の中で「たしかに自分で何とかやってみよう」と気持ちの変化が表れはじめました。

当時はまだ役職のない普通のヒラ社員でしたので「自分に上司(社長)や会社を変えられるわけはない」としか考えていなかった一面もあったのですが、その日を境に「部下(社員)の立場からどうすれば今の状況を変えることができるのか?」を日々考えながら仕事をするようになったのです。

後になってそれが「フォロワーシップ」と言う考え方につながっていたと知るのですが、上司(社長)に「従属」するのではなく、「支える」ことを意識することで、少しずつではありますが上司(社長)の評価が上がり、会社の体制も良いものになって行きました。

今回はそんな私の経験から「部下(社員)の力で理想の組織を作るフォロワーシップ」についてご紹介します。

 

1,フォロワーシップとは?

 

「フォロワーシップ」とは組織やチームの成果を最大化させるために「自律的かつ主体的に上司(社長)やメンバーに働きかけ支援すること」を言います。

ポイントは「受け身」でなく「自律的かつ主体的」に考え動くと言う点です。

日本には古来より「情けはひとのためならず」と言う言葉があります。

これは「まわりの人にたいして情を持って接していれば、必ずめぐりめぐって自分に返ってくる」と言う意味ですが、まさにこの言葉は「フォロワーシップ」の神髄を体現していると言えます。

具体的に言うと、組織やチームがより良い方向に進むようにメンバーに働きかけたり、自分の置かれたポジションよりも数段高い視点で状況を見つめ主体的に行動していく「率先力」と、上司(社長)などリーダーの意思決定や行動に誤りがあると感じた場合に、勇気をもって提言をしていく「提言力」が大きな二本の柱になります。

「私には関係ない(影響がない)」「誰もやっていないのになぜ私がやらなければいけないのか?」「会社に求めるものは給料だけ」と言うマイナス思考ではなく、「誰もやっていないからこそやる」と言うプラス思考を持つ。そして、「職場の環境」や「組織の体制」が変わることをただ「受け身で待つ」のではなく、「自分の力で変えて行く」と言う強い気持ちで働く。

それこそが「フォロワーシップ」なのです。

 

2、なぜ部下(社員)はフォロワーシップに徹するべきなのか?

 

ではなぜ現代の組織において「部下(社員)はフォロワーシップに徹するべき」なのでしょうか?

なぜなら現代社会はビジネスの環境がはげしく変化する中、企業には変化に合わせて事業を進めるスピードと柔軟性が求められているからです。

それを達成するためには上司(社長)のリーダーシップや経験だけではのりこえることができないのが現状であり、役職関係なく社員が一丸となって取りくんで行かなければならない状況をむかえているのです。

確かにひと昔前の日本の企業では、部下(社員)は上司(社長)の指示に忠実にしたがい行動するいわゆる「上意下達」のやり方で機能していましたが、現代では上司(社長)の経験があっという間に「時代遅れ」になってしまうのが現状です。

また、現代では上司が「プレイングマネージャー」として機能することが一般的になっており、自身の業務もかかえながらリーダーシップを発揮することが求められ、マネジメントに専念できる状況ではないと言うことも理由としてあげられます。

つまり、現代は役職による職務が以前よりも不明確になっている背景から、リーダーを主体的にサポートし、組織やチームを健全な方向にみちびく「フォロワーシップ」が非常に重要になってきているのです。

わが国でも、「フォロワーシップ」が欠けていたことで名だたる企業が不祥事で経営難におちいると言う事例には枚挙にいとまがありません。

「コストカッター」の異名を持ち、短期間で見事に日産を再建させたあのカルロス・ゴーン氏が、役員報酬にかかる不正事件によりトップの座を追われ現在も海外に逃亡した状態であることはあなたもご存じでしょう。

この事件は、もし日産内部にたしかな「フォロワーシップ」の考え方が浸透していれば、社員が彼の暴走を止めることができたかも知れないと思わせる端的な事例と言えるでしょう。

上司(社長)が見ているのは部下(社員)の「一生懸命なすがた」ではなく、その人が組織にあたえる「影響力の大きさ」なのです。

つまり上司(社長)の指示通りに結果を出す部下(社員)が求められる時代は終わり、自身の立場より数段上の視点から全体をみわたし行動する「参謀」タイプの人材が現代の企業では重要になってきているのです。

その意味でも上司(社長)には「仕える」のではなく、「支える」ことが重要なのです。

 

3、「フォロワーシップ」で求められる力「率先力」

 

「フォロワーシップ」で求められる一つ目の力は「率先力」です。

これは発言だけではなく、立場や役割をこえて率先して行動する力のことを言います。

ではなぜ「率先力」が必要なのでしょうか?

それは大きく分けて

①自分から率先して行動しなければ周囲の信頼をえることはできない

②職場や事業の問題については「受け身」で待っていても「自然治癒」はされない

の二つと言えます。

つまり要約すれば、「自分から動かずに待っているだけではいつまでたっても状況が改善されない」と言うことになりますが、この二点に関してはあなたも組織人・社会人としての生活のなかで実感されていることでしょう。

とは言っても「ウチの会社ではむずかしい」と思われるかも知れません。

社内では、あなたと同じように「そうは言っても・・・」と言う場所でとまっている人がほとんどのはずです。                                                                だからこそ、あなたの「見せ場」だと考えましょう。

「誰かがやらねばならないなら、誰がやるのか?」と言うことであり、「フォロワーシップ」はそこからがスタートです。

「フォロワーシップ」を実践していこうと思うたびにあなたは「そうは言っても」と言う思いをいだかれるでしょう。                                                                                             しかし、そこから勇気をだして一歩ふみだすことが社内でのあなたの「影響力の大きさ」をつくりだし、上司(社長)にとってなくてはならない「参謀」の存在に押しあげて行くのです。

ぜひ「率先力」で動いて、社内で「影響力のある存在」になりましょう。

ちなみに「率先力」を四つの段階であらわすと以下のようになります。

段階1 積極性 会議等で意見・質問をする

段階2 主体性 上司と同僚の橋渡し役になる

段階3 支援  上司・同僚が動きやすくなるように根まわしをする

段階4 参謀  ある業務においてリーダーの代行をする

会議等で意見・質問をする

「フォロワーシップ」実践のための「率先力」一つめは「会議等で意見・質問をする」ことです。

なぜならそれにより「会議での議論が活発になり良いアイデアが出る」「最初に発言をすることで、他の出席者が話しやすい環境をつくる」等の効果があるからですが、これはあなたも「せっかく会議をひらいているのに、ただの上司(社長)の指示伝達だけに終わってしまっている」と言った経験をお持ちだと思います。

上司(社長)はよく「遠慮なく思うところを言ってくれ」と発言をもとめますが、やはりそこにはどうしても上下関係が影をおとし、なかなか自由に発言をする雰囲気にならないのが普通です。

その雰囲気を変えるべく、勇気を持ってはじめに発言することを心がけましょう。

その際、「フォロワーシップ」を考慮すると「自分(自部署)のことだけを考えた視野のせまい発言をしない」「グチや文句は言わない」等の注意点があります。

自分の現在の立場(役職)をこえて、数段上の、言ってみれば全責任を持つ社長の立場になって発言をすることが重要です。

上記でも述べましたが上司(社長)は「従属する」のではなく「支える」の役割で考えた場合、彼らのご機嫌をとるための発言ではなく、時には「会社の方向性がまちがっている」と確信する場合は、これは後ほどご紹介する「提言力」につながりますが勇気をもって改善策を提示することも必要になります。

②上司と同僚の橋渡し役になる

「フォロワーシップ」実践のための「率先力」二つめは「上司と同僚の橋渡し役」をすることです。

なぜならお互い立場のちがう両者は意見が相違することも多い中で、その間を取りもつことは自身の「影響力」を大きくするからであり、これは空港等の交通機関で良くつかわれる「中継地」と言う意味の「ハブ」の役割を果たすと言うものです。

例えば、部下や同僚の意見を取りまとめて上司(社長)に進言したり、逆に上司(社長)たちの考えを部下や同僚に「なぜそれが必要なのか」を説明することがあげられます。

これは総務・経理だったサラリーマン時代、私が立場的に多くこなしていた役割の一つですが、「彼にまかせればうまくまとめてくれる」と、まさに社内での「影響力」はやればやるほど大きくなっていきました。

立場や役職がちがう上司(社長)と部下(同僚)は、なかなか率先して本音をぶつける対話の場をもうけることはしないため、社内の風通しが悪くなり、果てには業績にも影響してしまいます。

まさにそんな閉塞感をうち破るためにも、この「橋渡し役」の役割は「フォロワーシップ」をはたす上で非常に重要な役割の一つなのです。

③上司・同僚が動きやすくなるように根まわしをする

 

「フォロワーシップ」実践のための「率先力」三つめは「上司・同僚が動きやすくなるように根まわしをする」ことです。

こちらの理由も上記②と同じく、自身の「影響力」を大きくするからですが、これについては、②の「橋渡し役」からさらに一歩ふみこみ、「展開を予測して円滑に動くことができる場をつくる」と言いあらわすことができるでしょう。

実際に上司(社長)からの指示や部下(同僚)からの依頼が来る前に、あらかじめ関係する部署や人員に話をとおしたり調整したりすることで、その後の進展がよりスムーズに進むことになります。

また、当事者間ではどうしても感情的になってしまいがちですが、中立な第三者として入ることでより良い方向に進む効果もあります。

ぜひ、仕事の流れの中で上司(社長)が求めていることを先読みして、「私のほうで話をしておきましょうか?」と言ってみましょう。

ただし、くり返しになりますが、心がける点は「会社にとって」「顧客にとって」と言う視点にたっているかと言う点になります。

④ある業務においてリーダーの代行をする

 

「フォロワーシップ」実践のための「率先力」四つめは「ある業務においてリーダーの代行をする」ことです。

なぜならそれをすることで、ただでさえ「プレイングマネージャー」として多くの仕事をかかえている上司(社長)の負担を減らし、彼らが本来やるべきことに集中できる環境をつくることができるからです。

また、これは「自分が次のリーダーである」と言うことをアピールすることにもつながり、まさに上司(社長)の「右腕」「参謀」として機能することと言えます。

④については、これまでの⓵から③の努力を重ね進めていく中で、上司(社長)をはじめとした周囲から自然と望まれる段階であり、率先力の「フォロワーシップ」の完成形とも言えます。

ぜひ自分のできるところから「リーダー代行」として名乗りをあげ、上司(社長)の「無くてはならない存在」として機能することをめざしましょう。

 

4、「フォロワーシップ」で求められる力「提言力」

 

「フォロワーシップ」で求められる二つめの力は「提言力」です。

これは職場の問題や、事業・サービスでの問題があった場合、勇気をもって上司(社長)に問題提起をおこなった上で、対策を提言する力のことを言います。

では、なぜ「提言力」が必要なのでしょうか?

それは、上司(社長)であっても万能ではなく、すべての面において的確な答えを持っているとは限らず、自分たちが気づかない新たな考えや課題を提示してくれる部下(社員)を求めているからです。

つまり、「上司(社長)に気づきをあたえ、正しくみちびく」ことが部下(社員)に求められている「フォロワーシップ」の一つなのです。

「そんなこと言うけど、うちの上司(社長)はこちらから提言をするとイラっとして否定するよ!」と反論があるかも知れませんが、この点については後ほどお話しさせていただきます。

ちなみに「率先力」同様、「提言力」を四つの段階であらわすと以下のようになります。

段階1 積極性 「職場の問題」にたいして意見を言うのみ

段階2 主体性 「職場の問題」にたいして対策まで提案する

段階3 支援  上司(社長)の課題を把握した上で、解決のため動く

段階4 参謀  上司(社長)に「新たな課題設定」を提案する

このうち段階1~3までは説明は不要かと思いますので割愛をさせていただきますが、要約すると「意見を言う」「対策を提案する」「提案に基づいて動く」の流れになります。

段階4は段階2の「提案」と言う意味では同じですが、この段階のちがいは「現状の対策」「未来への提案」の時間的な差であり、段階3の時点で現状の課題については一定の解決がされている前提で、それをふまえて更に発展した形を提案していくと言うことになります。

最近の事例としては仕事の「オンライン化」「リモートワーク化」があげられます。

社内において「残業が多い」と言う課題があったとした場合、段階3までにおいて現状の改善点を達成した後で、「そもそも会議等で本社に直接来る必要があるのか?」「会社に来なくてもできる仕事は無いのか?」と言う視点に立つことで、より発展した形である「オンライン化」「リモートワーク化」を提案することがまさに段階4であると言えます。

ぜひ、現状からさらに発展した仕組みを提案できる「参謀」になり、上司(社長)の「無くてはならない存在」となりましょう。

その一方で、先ほどの「うちの上司(社長)が自分の提言を聞くはずがない」となかばあきらめ気味の方もおられると思います。

ここまでの話の流れから考えてみても、上司(社長)は心の中では「自分のカバーできない点をフォローしてくれる部下(社員)はありがたい」と感じてはいるのですが、やはり彼らも感情のある「人」であり、下から提案されることについてプライドが邪魔をして素直に受けいれられない人が多いのも事実と言えます。

あまりにストレートな提言は、上司(社長)からみると「非難された」ととらわれてしまうことがあるのです。

そんな上司(社長)には「DESC法」と言う話法で伝えてみてはいかがでしょうか?

「DESC法」とは以下の四つの手順をふんで伝える方法ですが、「残業増加による弊害」を例にしてみましょう。

D(描写)事実を伝える 「最近、部下たちの仕事量が多く、残業が増加しています」

E(意見)意見を述べる 「このままでは退職する者が出てくる可能性があります」

S(提案)提案する   「~と言った改善策が考えられます」

C(選択)選択してもらう「社長はどう思われますか?」

ここでのポイントは一方的な提言の押し付けではなく、改善策の一つとして提示し上司(社長)の判断をあおいでいると言う点になりますが、その前にもう一つ心がけておくものがあります。

それは「上司(社長)が現状なやんでいること、課題と思っていること」を常に把握しておくと言うことです。

あなたの提言が上記に入っていないとしたら上司(社長)が重要視してくれない可能性が高くなるわけですが、そこには様々な思いがふくまれています。

「あなたへの信頼関係がまだ大きくない」

「上司(社長)が実際に課題だと思っていない」

と言ったものです。

その場合はその課題を提案することはある意味「時期尚早」であり、上記で述べた「率先力」等を進めることで、上司(社長)の気持ち(の範囲)を広げる必要があるのです。

まさに「提言力」を上げ実現するためには、上司(社長)から「無くてはならない人材」と思われなければいけないと言うことになります。

よって、こちらがやるべきことは「上司(社長)が今課題と思っていることが何なのか?」を知ることです。

ちょっとした会話や休憩時間等で「最近、職場はどう見えていますか?」と話をふることで、上司(社長)の心のうちを把握すること、ここが「フォロワーシップ」の理想形です。

優先課題として「上司(社長)の思っている課題=会社・顧客の発展につながる」ものから提言をしていくことを心がけましょう。

そうして「参謀」としての「信頼」と「重要性」が確立されればその他の課題の提言についても上司(社長)は真剣に向きあってくれることでしょう。

 

5、徹底したフォロワーシップで秀吉を天下人に導いた寧々のサポート術

戦乱にあけくれた戦国時代に徹底した「フォロワーシップ」で、夫である戦国武将を天下人にみちびいた女性がいます。

それがあの百姓から天下人にまで上りつめた「日本一の出世人」豊臣秀吉の妻である寧々(ねね)です。

寧々は秀吉がまだ主君である織田信長の足軽(現在で言えば一般社員)の時代に、当時ではめずらしい「恋愛結婚」をし、まずしい時代から苦労を共にしながら「糟糠の妻」として終生秀吉をささえつづけたことで知られています。

寧々は「まさかこんな人生をあゆむとは夢にも思わなかった」と後年回想しているとおり、秀吉がどんどん出世して行くにつれ、妻と言う立場からなくてはならない「ビジネスパートナー」に変わって行ったのですが、そんな彼女が秀吉をささえたサポート術がまさに今回の「フォロワーシップ」でご紹介した「率先力」「提言力」でした。

秀吉の出世の結果、家臣を多くかかえ「豊臣家」が大所帯になり、「貧乏で今日食べるものもなかった」頃から女中を連れて「姫様」と呼ばれる生活に変わって行った寧々でしたが、彼女の「考え」はどんなに優雅になっても変わることはありませんでした。

死ぬまで「質素倹約」にいそしみ、えらくなろうが自分のことは自分でこなし、家のことも率先して動く昔のままの姿がそこにあったのですが、そんな寧々の心に常にあったのが「夫である秀吉のために自分は何ができるのか?」と言う思いです。

寧々はどんどん大きくなって行った「家」の切り盛りをはじめ、のちに秀吉の有力な家臣として成長して行く加藤清正や石田三成などの子供時代の養育、更には敵からむかい入れた人質としての子供の世話や京の朝廷との折衝など実に「豊臣家」の裏の仕事を一手に引き受けています。

これは「フォロワーシップ」の典型と言って良いでしょう。

そんな寧々ですが、決して秀吉をないがしろにはせず、必ず彼を前面に出して顔を立てることを心がけたと言われており、現代でも「寧々がいなかったら秀吉の大出世はなかった」と言われるほど彼女あっての豊臣政権だったと言えるのです。

しかし、寧々はすべてにおいて秀吉に従順だったわけではありませんでした。

秀吉がまちがった方向に進みそうになった時は、勇気を出して全力で提言をしたのです。

例えば秀吉が長浜(現在の滋賀県)の城持ち城主だった時のこんなエピソードがあります。

秀吉は信長の「楽市楽座(市で自由に商売をして良いと認めた制度)」政策にならって、新しく作った長浜の町でも同政策を実施しました。

その結果、長浜は大いに活気のある町になりましたが、逆に人が流入しすぎたため、秀吉は「楽市楽座」を停止しようと考えはじめたのです。

それをとめたのが寧々でした。

「一度決めたことを簡単に変えてしまったらおみゃあさん(尾張弁)の信頼に関わる」とくぎを刺し、「人が増えても防犯の面をしっかりおこなえば、必ず今以上に長浜は活気のある町になりますよ」と提言をしたのですが、秀吉が渋々それを受け入れたことで彼女の予想どおり長浜は更に大きく発展したのでした。

上記のエピソードをはじめ、確かに、「天下統一」を果たした後の秀吉は「朝鮮出兵」など現代でも「失政だった」と言う「暴走」「あやまち」をおかしているのは事実ですが、それでも寧々がいなかったら「豊臣政権」は更に悪い状態で早期に崩壊していたのは間違いないと言えるのです。

それだけ秀吉が誤った方向に行きかけた時に、まさに文字どおり「命をかけて」目の前に立ちふさがり、秀吉にものを申す寧々の姿があったのでした。

まさに、歴史の一時代をきずいた「豊臣時代」は秀吉の努力もさることながら、「参謀」としての寧々の献身的な「フォロワーシップ」に支えられていたと言えるのです。

 

今回は「部下(社員)の力で理想の組織を作るフォロワーシップ」についてご紹介しました

終身雇用が終わりをむかえた現代、いつおとずれるかも知れない生活の危機にたいして私たちはどう言ったスタンスでのぞめば良いのでしょうか?

「滅私奉公に徹し、忠誠をちかう」

「会社と距離をおく」

「ミスをしないように安全な道を進む」

「上司(社長)の言うことは絶対とイエスマンに徹する」

「酒を飲みながら会社や上司のグチを言いストレス発散する」

上記はいずれもちがうと言えます。

「うちの組織ではムリ・・・」と思うかも知れませんが、こんな今だからこそ・・・

「誰かがやらねばならないなら自分がやる」との覚悟を持ち、「自分自身が力をつけながら組織を良い方向に進める」「上司(社長)は部下(社員)である自分が育てるものである」と言う意識でぜひ「フォロワーシップ」を実践してまいりましょう。

そうすれば、かならず上司(社長)から「影響力の大きい、無くてはならない人材」として信頼され、組織は理想の状態に変わって行きます。